日本の暦について
日本の暦の歴史では、江戸時代まで主に太陰暦が用いられていました。
この暦は月の周期に沿って作られており、1カ月は約29日で、1年はおよそ354日です。
現代では太陽暦を採用しており、1年は365日(閏年では366日)となっています。
太陰暦とは
太陽暦では、3月から5月までを春、6月から8月までを夏、9月から11月までを秋、12月から2月までを冬として、季節が月と概ね一致します。
しかし、太陰暦の場合は月と季節のずれが生じ、これを修正するために閏月が設けられていましたが、完全な合致は難しい状況でした。
特に、農作業を行う人々にとっては、このずれは大きな問題でした。
農業は季節に応じた作業が重要なため、太陰暦のずれに対応するのは容易ではありませんでした。
そこで、彼らは太陰暦とは別に、二十四節気を活用しました。
二十四節気とは
二十四節気は、太陽の位置を基に1年を24に分割し、それぞれの期間に名前を付けています。
このシステムでは、約15日ごとに新しい節気が訪れ、1年を春夏秋冬の四季に沿って24の期間に分けます。
各季節には6つの節気が割り当てられています。
今回は、この中でも秋に該当する節気に焦点を当て、その特徴や期間について詳しく解説していきます。
秋はいつからいつまでなのか?
秋の期間を二十四節気で見ると、以下の6つの節気が秋に該当します。
- 立秋
- 処暑
- 白露
- 秋分
- 寒露
- 霜降
この中で、立秋は秋の始まりを、霜降は秋の終わりを告げる節気とされています。
霜降の次に来るのが立冬で、これによって冬の季節が始まります。
つまり、暦上での秋は立秋から立冬の前日までと定義されています。
それでは、秋の季節を形作るこれら6つの節気について、一つずつ詳しく見ていきましょう。
秋の季節を形作るこれら6つの節気
秋の季節は、二十四節気によって細かく区分されています。
その中の上記6つの節気を詳しく見てみましょう。
立秋(りっしゅう)
立秋とは、文字通り秋の始まりを意味します。
しかし、実際には8月上旬にあたり、一年で最も暑い時期であるため、秋らしさを感じるにはまだ早いです。
2008年から2039年の間では、閏年の前年には8月8日、それ以外の年には8月7日に立秋が訪れます。
処暑(しょしょ)
処暑とは、暑さが和らぎ始める時期を指します。
この時期は大体お盆が過ぎた頃に当たり、山間部を除くとまだ秋を感じるには早い時期です。
1992年から2023年の間、処暑は毎年8月23日に訪れます。
白露(はくろ)
白露は、朝に草花に露が降りる時期を指す名前です。
中国の古代では、秋の色として白が選ばれており、そのために「白」の字が露の前に付けられています。
この時期になると、街中でもようやく秋の気配を感じ始めます。
1996年から2023年の間、白露は閏年と閏年の翌年には9月7日、それ以外の年には9月8日に訪れます。
また、白露からは仲秋と呼ばれる時期に入ります。
これは、旧暦の7月から9月の中間にあたる月を指します。
秋分(しゅうぶん)
秋分は、秋の中間点を意味し、秋を二等分する時期となります。
この時期は、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、秋の深まりを実感し始めるころです。
また、秋分の日は秋の彼岸の中日に当たります。
2012年から2043年の間、閏年には9月22日、それ以外の年には9月23日が秋分です。